生産量No.1!やぶきた品種とは?
やぶきた品種は、在来種から選抜した品種です。
1953年(昭和28年)に品種登録されました。
現在、国内で生産されている日本茶の約8割近くがこの「やぶきた品種」になります。
やぶきた品種の生まれ
やぶきた品種は現:静岡市駿河区の杉山彦三郎(1857ー1941年)が作りました。
1908年(明治41年)に、竹やぶを切り開いた茶園から優良品種を選抜しました。
その中で北側のモノを「やぶきた」、南のモノを「やぶみなみ」と名付けました。
しかし、当初はなかなか普及しませんでしたが、開発から50年近くたった1955年。
在来品種より霜に強く、早く安定収穫していた事から、静岡県奨励品種に指定されました。
それをきっかけに急速に普及し始めました。
人気もNo.1?「やぶきた品種」の特徴
やぶきた品種は総合的に優れた品種です。
バランスの良い優しい甘みと渋みに、優雅な香りとコクを楽しめます。
現在でも出回ってるお茶の8割近くがやぶきた品種です。
想像するお茶の味=やぶきた品種と思って下さい。
皆が思っている普段から飲み慣れたお茶の味です。
やぶきた品種:お勧めのお茶
やぶきた品種は普段から飲み慣れたお茶の味です。
どんな時にもオススメできる味わいになっています。
なのでお茶の品質(主に値段)によって飲み分けるのがオススメです。
以下にオススメのお茶を紹介します。
贈り物に最適なお茶
最高級深蒸し煎茶:極上
最高級のやぶきた品種の緑茶です。
一番早く収穫した新芽は柔らかく、抽出したお茶はとろっとした柔らかな旨味のある味わいになります。
食事時よりはお茶菓子に合わせて頂くのがオススメです。
3時のおやつ時や、お客様にお出しするのに最適なお茶になります。
その分淹れ方も難しく、一度沸騰したお湯を70℃まで落としてから淹れます。
高温で淹れると渋くなるので注意が必要です。
その分、丁寧に淹れると最高に美味しいひとときを楽しむことが出来ます。
お茶好きな方への贈り物にも最適です。
お菓子・食事に合うお茶
高級深蒸し煎茶:初芽
やぶきた品種の中で一番使いやすいお茶になります。
抽出したお茶は柔らかな旨味がスッと喉に抜けていく、優しい味わいになっています。
極上と同じように温度を冷ませば、優しい甘みを楽します。
逆に熱めのお湯で淹れれば、コクのある渋みを楽しむことが出来ます。
お菓子にも、食事にも合わせることが出来る万能のお茶です。
高級深蒸し荒茶:初芽
初芽はパック詰め前に火入れをして、香ばしく仕上げたお茶です。
他に、新茶時期に製造した茶葉をそのままパックした「荒茶:初芽」もあります。
こちらはより鮮やかな水色に、若草のような青みのある味と香りが特徴です。
同じ茶葉で全く別の味わいなので、是非飲み比べてみて下さい。
ゴクゴク飲めるお茶
深蒸し煎茶:もえぎ
やぶきた品種の新茶の中で一番最後に収穫するお茶です。
お柄になったお茶なので新芽も堅く成長しており、熱湯で淹れることが出来ます。
スッキリとしたゴクゴク飲める味わいは、食事時や喉が渇いているときに最適です。
夏の暑い時期の冷茶にも最適で、どなたでもゴクゴク飲んで頂けます。
深蒸し荒茶:もえぎ
「荒茶:もえぎ」は、「荒茶:初芽」より青みが強いのが特徴です。
少し癖がありますが、ハマると抜け出せない味わいです。
青みのある味わいが好きな方には響くお茶になっています。
「煎茶:もえぎ」と同様にゴクゴク飲めるお茶なので、ぜひお試し下さい。
冷茶が美味しいお茶
パウダー茶:めぐみ
やぶきた品種の初芽を粉末にしたお茶です。
夏の暑い時期には簡単に溶かして、凄く美味しい冷茶として頂けます。
また焼酎割りにも最適で、緑茶割りで飲むと二日酔いになりにくいと言われています。
農家から見た「やぶきた品種」
やぶきた品種=お茶の味と思って良いほど一般的なお茶です。
バブル絶頂期に掛けて、農家によってたくさん植えられました。
祖父や父から聞いた話では、当時はやぶきた以外だと安く買い叩かれたそうです。
それほどまで人気のあったやぶきたですが、現在では数を減らしています。
一番の原因はお茶の需要の低下です。
一番植えられていた品種なので、必然と数が減ってきています。
それ以外にも、消費者の趣味嗜好が多様化したことにより、別の品種が増えてきました。
昭和の時代はやぶきた=美味しい!でした。
しかし、今は消費者が自分で欲しいものを選ぶ時代です。
その為、作り手・売り手側が需要を増やすように、現在試行錯誤の真っ最中です。
段々と次のステージへと進んでいますが、やぶきたが一位を譲るのはまだ先の話でしょう。